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#4 リスク管理システムと金融規制
金融業のITは過度期に。
金融業のITとはどんなもので、今求められているものは何か、連続コラム(全4回)でご紹介します。
■国際金融規制「バーゼル合意」
リスク管理システムは金融規制の発展とともに進化してきました。
1980年代、グローバルなお金の移動が盛んになっていきました。それに伴い、各国の金融政策は他国にも大きく影響するようになりました。そのため、国際的に統一した枠組みを設けることで適切に金融リスクを管理しようとの風潮が強まりました。
そこで世界各国の金融監督庁や中央銀行が集まり、銀行の自己資本比率を8%以上に義務付けた「バーゼル合意」が成立しました。
バーゼル合意は複数回、段階的に導入されました。
規制強化は、計算式の分母にあたる「総リスク資産額」に含まれる範囲を順次拡大する形で行われました。
その後1996年に市場リスクが追加となり、2004年公表のバーゼルⅡではさらに精巧なリスク計算をするため、オペレーショナルリスクも対象となりました。
■リーマン・ショックの衝撃
2000年代前半までは、これらのバーゼル合意がきちんと守られていれば、もし不測の事態が起こっても十分に対処できるものと考えられていました。
しかしリーマン・ショックによりバーゼル合意の欠陥が露わになりました。
最近では国際金融規制強化も失速気味となってきました。理由は「システム対応の複雑化と高コスト化」・「金融ビジネスの競争力を妨げる」と考えられています。立て続けの規制強化に対して欧米の金融機関の対応が間に合わなくなってきており、また規制強化のためのコストと手間をかけるのは金融ビジネス発展を妨げると考える人が増えてきている傾向があります。
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