LTVを向上させる方法は?計算方法や向上に役立つツールも解説
LTVは、顧客が契約期間中にもたらす利益を指す指標です。新規顧客の獲得にはある程度のコストが必要な上、継続した取引がなければ収益を上げ続けることは難しいでしょう。一方で、既存顧客と継続的な関係性を構築できれば、顧客獲得のコストを回収して継続的に利益を生み出せます。
現在では、市場の飽和やサブスクリプションサービスの台頭によって、継続的に利益を上げるための指標としてLTVが注目されています。LTVを向上させれば、利益を安定化させられるのはもちろん、優良顧客の獲得にも役立つでしょう。当記事では、LTVが重要視される背景やLTVの計算方法、LTVを向上させる方法について解説します。
目次
1. LTVとは
LTVとは、Life Time Valueの略称で、日本語では「顧客生涯価値」という言葉に訳されています。
LTVは、顧客がサービスを利用している間にどれだけ利益をもたらすかを示す概念です。従来は売り切り型のビジネスの継続購入・関連する製品の購入等を測る目的で使われていましたが、現在ではサブスクリプションサービスの分野でも用いられています。
LTVが高いということは、顧客が長期に渡って同じ企業の商品をリピートしていることを示しています。企業が持続的に成長をするには、LTVの向上が重要なポイントと言えるでしょう。
1-1. LTVの計算方法
LTVの計算方法は複数ありますが、一般的に用いられている式は下記の通りです。
上記の式は、顧客の平均値をベースとして割り出す一般的な計算式です。
例えば、平均顧客単価を10,000円、収益率を30%、購買頻度を月に1度とし、継続購入期間3年のケースにおけるLTVは下記の通りです。
この式からは、顧客を1人獲得すると108,000円の利益が見込めることが分かります。
一方で、新規顧客の獲得や顧客の維持にかけるコストを考慮する場合の計算式は、下記の通りです。
平均顧客単価・収益率・購買頻度・継続期間が上記の例と同じケースで、新規顧客獲得に60,000円、既存顧客維持に20,000円がかかる場合は、次の通りです。
売上の観点で指標化したい場合は1つ目の式を使い、新規顧客の獲得や顧客の維持にかかるコストを考慮する場合は2つ目の計算式を使用するとよいでしょう。
2. マーケティングにおけるLTVの重要性
マーケティング領域でLTVが重要視されている背景としては、下記の2点が挙げられます。
3. LTVを向上させる4つの方法
競争力が高まっている現在のマーケットにおいて、売上を安定させるにはLTVの向上が重要です。LTVの向上を実現するには、コスト面を含めたさまざまな観点から改善策を講じる必要があります。
ここでは、LTVを向上させる4つのポイントについて解説します。
3-1. 購買単価を上げる
購買単価をアップさせる方法の1つとして、商品単価を上げることが挙げられます。ただし、商品の単価を上げても、需要をキープできなければLTVの向上につながらない点に注意しましょう。
商品単価を上げるだけではなく、より質の高い商品を購入してもらうことも手段の1つです。オンライン上のサービスを例に挙げて解説すると、グレードごとに使用できる機能を分ければ、顧客により高いランクのサービスを提案することができます。
また、顧客の商品購買数を増やすこともLTV最大化につながります。例えば、顧客が商品を取引する際に関連商品を提案し、複数の商品を購入してもらえば購入単価をアップさせられるでしょう。しかし、売り込み要素の強い提案は顧客に不信感を与えるため注意が必要です。
3-2. リピート回数を増やす
商品やサービスを購入した顧客に対し、次回の購入につなげられるアプローチをすることもLTV向上に有効的な手段です。多くの顧客に商品を購入してもらっても、リピート率が低いと成長曲線を描くことは難しいでしょう。
リピート購入を増やす方法としては、一度購入した顧客に対するメール配信や買い替え時期の割引施策など、特定の層にアプローチするのが効果的です。
また、商品の定期購入やサービスをサブスクリプション化することによって、顧客のLTV向上が狙えます。
3-3. 解約率を下げる
サブスクリプションなどの定額制サービスであれば、解約率を下げることでLTVの向上を図れます。
顧客離れを防ぐのに有効な手法は、解約理由の把握と改善策の実行です。例えば、「初心者にとって使い方が分かりづらい」という理由であれば、初心者向けのチュートリアルを充実させるなどの対策を講じるとよいでしょう。
また、顧客満足度の向上を図ることも忘れてはなりません。LTV向上を実現するには、優良顧客に対して特典を付与する・Q&Aチャットを設けて細かなアフターフォローをするなど、顧客体験の質を最大化する努力が必要です。
3-4. 顧客獲得・維持コストを削減する
LTV向上には、顧客獲得・維持コストの削減が効果的です。顧客の獲得や維持にある程度のコストをかけるのも大切ですが、適切なマーケティング施策やツールの導入によって業務を効率化すればコストを削減することができます。
マーケティングコストの効率化を図るには、ビジネス分析ツールの導入が効果的です。ツールの導入には多少のコストがかかるものの、中長期的に見て営業活動またはマーケティングの効率化につなげられます。
また、より費用対効果の高いマーケティング施策を選択すれば、余計なコストをかけずに顧客数を増やすことができます。複数の選択肢があり、決定に迷うケースでは各施策を実行しながら実績の比較検討を行うとよいでしょう。
4. LTV向上に役立つツール3つ
LTV向上の施策を実行するには、CRMなどのツールを導入するのがおすすめです。ここでは、LTV向上に役立つツールを3つ紹介します。
上記のようなツールを有効活用することで、マーケティング施策に要するコストを大幅に削減でき、より効率的に収益の拡大が目指せます。
まとめ
LTVを向上させるには、顧客一人ひとりに合わせたアプローチや顧客データの分析が大切です。新規顧客の獲得が難しくなった昨今では、顧客を維持するための指標としてLTVがますます重要視されるでしょう。
「CTC」が提供するCAMG(CTC Autonomous Marketing with Google Cloud)は、Google Cloudを活用した自律型データ分析〜マーケティング施策実行ソリューションです。CTCの技術でCDPの活用を強力にサポートし、作りこみが必要なCDP周辺機能に関しても状況に合わせた構成を考え、提案いたします。組織・事業の売上アップをお考えの際は、ぜひ導入をご検討ください。
データ分析~マーケティング施策実行ソリューション「CAMG」についてはこちら