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【ホケンノカタチ】ハッカソンにおけるローコード開発の実践

著者:駒場 成美(金融NEXT企画部 開発企画課)


はじめに

ハッカソン『ホケンノカタチ』に参加し、私たちはシェアリングエコノミー型ペット保険「ShippoLink」を開発しました。本記事では、MendixやProtosureといったローコードツールをどのように活用し、開発を進めたのか、また工夫や課題について紹介します。

ハッカソンの受賞レポートについてはこちらをご覧ください。


ローコード開発のアプローチ

2週間という限られた期間での開発を成功させるため、私たちはスマホアプリに特化した開発を行いました。開発範囲を明確にし、短期間でも完成度を高めることを目指しました。

私が所属する金融NEXT企画部の技術チームでは、「Build To Think」の精神を大切にしています。「考えながら作る」ではなく、「作ること自体が思考を深める行為である」という考え方を軸に、アイディアを形にしながら開発を進めていきました。このハッカソンでも、その考え方を活かし、迅速なプロトタイピングを重視しました。


Mendixの活用とUI/UX設計

Mendixは、視覚的にアプリを構築できるローコードプラットフォームであり、特にUI/UXの設計において大きな利点がありました。プロトタイプを即座に作成し、メンバー間でイメージを共有しながら開発を進めることができました。実際の画面を操作しながらレイアウトやフローを検討し、認識のズレを最小限に抑えながら設計を進めました。また、フィードバックを即座に反映できる環境を活用し、試行錯誤を重ねながら改良を加えていきました。

特に、ペットの引継ぎプロセスに関するUI設計では、視覚的に確認しながら議論を進めることで、より明確な設計が可能になりました。チームメンバーが実際に画面を操作しながら、ボタンの配置やユーザーの動線を検討し、直感的で使いやすいデザインへと仕上げることができました。開発を進める中で、新たな課題や改善点が見えてくることも多く、その都度調整を行いました。


アプリ画面イメージ

 

Protosureの活用とデータ処理

保険料の計算処理にはProtosureを活用しました。ProtosureはExcelデータを取り込み、自動で計算処理を行うことができるため、異なる条件でのシミュレーションを迅速に実行できました。計算ロジックをチームメンバー間で分担し、Mendixとの連携を行うことで、開発の効率化にもつながりました。

このように、UIの構築にはMendix、計算ロジックにはProtosureを使用し、それぞれのツールの強みを活かしながら開発を進めました。結果として、短期間でも高い完成度のアプリを構築することができました。


開発における課題と解決策

Mendixは柔軟性が高い一方で、カスタマイズには制約があり、独自の処理を実装する際には工夫が求められました。例えば、データ処理の最適化を図るためにテーブルの構成を工夫したり、CSSを活用してデザインの細かな調整を行うことで、より完成度の高いアプリに仕上げました。また、Protosureとの連携を行うことで、より複雑なビジネスロジックの実装を可能にしました。


開発画面

短期間での開発では、メンバー間の認識を迅速に統一することも重要な課題でした。Mendixを活用してモックアップを作成し、仕様を視覚的に確認しながら議論を進めることで、意思決定のスピードを上げることができました。即時レビューとフィードバックのループを確立することで、開発のスピードと品質を両立させることができました。


ローコード開発の可能性

今回のハッカソンを通じて、ローコード開発が短期間の開発プロジェクトに非常に適していることを実感しました。プロトタイピングを迅速に行い、UIのイメージをすぐに形にできるため、チーム内で共有しながら進めることができます。また、仕様変更や調整にも柔軟に対応できるため、アイディアのブラッシュアップが容易になりました。さらに、フロントエンドとバックエンドの連携をスムーズにし、実装工数を削減することで、開発の効率を大幅に向上させることができました。

今後も、ローコードツールを活用しながら、より迅速かつ柔軟な開発手法を追求し、新しいアイディアを形にしていきたいと考えています。


まとめ

『ホケンノカタチ』ハッカソンでは、MendixとProtosureを活用し、短期間でUI/UXとビジネスロジックを組み合わせたアプリを開発しました。今回の経験を通じて、ローコード開発の可能性と課題を改めて実感するとともに、「Build To Think」の精神を活かしながら、より良い開発手法を追求する重要性を学びました。

今後も技術を活用し、短期間で効果的なサービスを生み出す挑戦を続けていきます。

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