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#interview

02

責任感ゆえの落とし穴、
そこで得られた「頼る力」

エンジニア(開発)

C.H.

2008

年入社

(課長)

課長として常にメンバーを気遣うC.H.は、メガバンクにおける複数のリスク管理系プロジェクトを推進してきた実績から、社内外から大きな信頼を寄せられている。中途入社以来、着実なキャリアアップを実現してきた経歴は輝かしいものに見えるが、実際には周りから期待され自信をつけたからこそ陥った失敗があった。そこから学んだ教訓は、管理職となったいまも自身の指針になっている。そのストーリーに迫っていく。

私の未来が動いた転機年表

自信と責任感が邪魔をして、助けを求められなかった

私にとって大きな転機となったのは、初めてリーダーとして参画した、メガバンクにおけるリスク管理系システムの開発プロジェクトです。20名ほどの規模で、CTCの社員は私だけ。協力会社の面々を率いる立場に、緊張が募りました。そんな中で、期限直前の結合テストに大幅な遅れが出ていることが判明。メンバーの進捗の遅れを把握しきれていなかった自分の監督ミスでした。そのため誰にも助けを求めることなく限界まで稼働して、一人でテストと検証、修正を繰り返す状態に陥ってしまいました。

私はもともと、家族の転勤に伴って一度退社し、2008年に再入社しています。上司からは「席は残しておくよ」と言ってもらっていて、その約束を果たしてもらえたことで「自分は組織に必要な人材なんだ」と感じたのを覚えています。その後、金融機関のシステム開発を経て、2014年に初めてサブリーダーとしてメガバンクのプロジェクトに参画。10名程度のメンバーを取りまとめるマネジメント業務を経験しました。そこでの働きを評価してもらったことで、はじめてのリーダー案件に任命されたという自負もあり、トラブルが起きた際にも「経験を積んだ自分なら、一人でできるはず、やらなければ」という思いが空回りしていたのかもしれません。

頼ることを学んだからこそ、得られた信頼と広がるプロジェクト

自分だけがすべてを背負う仕事の進め方は健全ではないですし、いずれ限界が来ます。それに気づけたのは、同じプロジェクトに参加する他社のエンジニアが気遣って声を掛けてくださったことがきっかけです。テストをなんとか乗り切ろうというタイミングに「無理を重ねて、やがて糸が切れてしまうエンジニアを見てきた」と諭してくださったことで、やり方を変えなければと痛感しました。

それ以降は自分のメンバーに加え、別のプロジェクトに参加していたCTCの同僚や上司にサポートしてもらい、システムは無事リリース。当時の担当者の方は厳しいことで有名な方だったのですが、このとき初めて「ありがとう」と労っていただいたことが強烈に印象に残っています。長く奮闘した仕事でしたが、この一言ですべてが報われました。

大切なのは、何かあったらまずチームを頼ること。当初私は臨時対応をメンバーに頼むことにためらいがあったのですが、プロジェクト後半に業務を仕切り直し、対応をお願いた際には快く引き受けてもらえて、「もっと早く頼るべきだった」と思いました。リーダーとはメンバーの倍稼働する人ではなく、プロジェクトやチームを俯瞰し周りに働きかけながら導く人なのだと、やっと腹落ちさせることができました。

仲間と生み出す相乗効果で、お客さま目線を追求していく

このプロジェクトの成果が礎となって、その後のプロジェクトでは元請けとして携われるようになったことも、大きな成果でした。多くのシステムがCTCの管轄に置き換わったことで、提案の幅がぐんと広がりました。現在は次期基幹システムに向けたリスク管理系システム全体の統合の提案準備を進めているほか、基盤の更改を実施しました。また、この仕事が社内でも認められ、一年間の功績を表彰する「グッドジョブ賞」を受賞。やり遂げたことが評価され、次につながっていくのは、プロジェクトとして一番望ましい形だと思います。

課長に就任しマネジメント対象が増えたいまは、一人で背負いすぎているメンバーがいないか気を配っています。かつての私がそうであったように、若手のときよりも中堅になってからのほうが、残業が増えやすい傾向にあります。自信や責任感で視界を狭める前に、適切に周りを頼るよう伝えていきたいです。

どれだけ経験を積んだベテランであっても、一人でできることは限られています。若手や、役職がついたばかりの中堅ならなおさらです。実作業はもちろん、プロジェクトの向かう先を見つめる視点も仲間とシェアしながらお互いに支え合える仕事をしていきたいと思います。

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