UTMとは?必要とされる理由・代表的な機能を紹介
UTMとは、「総合脅威管理」を意味する言葉で、複数の情報セキュリティの機能を一元化したツールです。アンチウイルスやファイアウォール、アンチスパムなどの重要なセキュリティ機能を一元的に管理することができます。
この記事では、UTMの概要から、UTMが必要とされる理由、UTMを導入する上で確認するべきポイントまで詳しく解説します。UTMとファイアウォールの違いや、UTMの代表的な機能も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
目次
1. UTMとは?必要とされる理由も解説
UTMとは「Unified Threat Management」の略称で、「総合脅威管理」を意味します。いくつかのセキュリティ機能を統合した製品で、安心してネットワークを利用するための重要な企業向けツールです。
具体的には、ファイアウォール・アンチウイルス・IDS/IPS・Webフィルタリングなどの機能を一元化させた製品です。個別のツールで脅威に対応してきた従来のスタイルに対し、UTMでは多くのセキュリティ管理を同時運用できるため、幅広いリスクに柔軟に対処できます。
UTMが開発された背景には、多様化するサイバー攻撃やネットワーク犯罪があります。
このような昨今の複雑かつ巧妙化するネットワーク脅威に対応する、高度な監視機能を備えた総合的なセキュリティ管理ツールがUTMです。
1-1. ファイアウォールとの違い
「ファイアウォールはネットワーク・セキュリティの1種」であり、「UTMは複数のネットワーク・セキュリティ・システムを統合した管理ツール」という違いがあります。
ファイアウォールとは、送られてきたデータを読みこみ、接続の可否を判断するよう設計されたシステムの名称です。数あるネットワーク・セキュリティ・システムの1種で、不正なアクセスを防ぐ働きを持ちます。
一方UTMとは、複数のセキュリティ・システムを統合して包括的にネットワーク管理をするツールです。代表的な機能の1つにファイアウォールがあげられますが、UTMはその他にも多数のセキュリティ関連機能が組みこまれています。
2. 代表的なUTMの機能
UTMには多数の機能が搭載されていますが、その中でも代表的なものを6つ確認しましょう。
このように、UTMにはさまざまなセキュリティ対策機能が搭載されています。個々の脅威に対策用のソフトウェアをそれぞれ導入するよりも、UTMのほうが「運用の手間」「導入コスト」などさまざまな面でメリットが多いでしょう。
3. UTMを導入する上で確認すべき3つのポイント
UTMと一口で言っても、包括されているセキュリティ・システムの内容やユーザーのフォローアップ体制などは提供元により異なります。社内のニーズにあった適切なUTM選びが求められるでしょう。導入前に確認するべきポイントを3つ紹介します。
3-1. 基本スペック
スペック(性能)の低いUTMを導入してしまうと、インターネット・アクセスへの遅延を招く恐れがあります。UTMはコンピューターの一種であり、UTMを導入してからトラブルが起こらないようにするためには、導入前の段階でスペックに注目することが大切です。
このような基本スペックと呼ばれる部分をしっかりと確認し、企業規模やネットワーク環境にあった性能を持つUTMを選びましょう。
3-2. ユーザー数・トラフィック
ユーザー数とは「利用できる人数やデバイス数」のことで、トラフィックとは「通信量」を意味します。これらの数に応じて価格が変動することが一般的であるため、自社の利用環境を正しく把握して選ぶことが大切です。
大企業や今後人員が増えることが想定される企業の場合には、ユーザー数が無制限のサービスがおすすめです。また、少人数であっても膨大な量の情報を扱う企業であればそれに対応できるだけのトラフィック機能があるかどうかも検討してください。
3-3. メンテナンス体制
UTMは、原則として24時間365日、稼働し続けなくては意味がありません。何らかのトラブルが発生した際に、早急な対応が可能なベンダーを選びましょう。
中には、海外製のUTMを輸入販売しているだけで、メンテナンスやアフターサポートは行っていないというベンダーもあります。UTMの製品としての評価や運用コストはもちろんですが、導入後のトラブル対応についてもしっかりと確認しましょう。
まとめ
UTMは、ファイアウォールやアンチスパム、アンチウイルスなどの情報セキュリティに関する機能を統合したツールです。企業が情報セキュリティに関して対策を行う場合に、UTMを導入することで、数多くの機能を一元的に管理できるため、コストや手間の削減につながります。
UTMを導入する際には、自社の利用環境を正しく把握しつつ、ツールの基本スペックを確認することが大切です。また、セキュリティ製品にトラブルが生じた場合に、迅速に対応できるように、十分なメンテナンス体制を持っていることを確認して、ツールを選びましょう。